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亀崎先生、久米島へ!-アオウミガメ大量死事件の真相-

お世話になっております!おしゃべりZoologyスタッフです!

この度、亀崎先生が出張で、沖縄諸島最西端・久米島へ向かわれました!

飛行機から望む久米島。有名な「はての浜」が見えています!


お仕事内容は、話題になったアオウミガメの大量死事件について。

いったい久米島で何が起こっていたのか? 亀崎先生が実際に現場へお伺いしました。

実は、世界を渡り歩いた亀崎先生も久米島にきたのは初めて。

どんな理由であれ、初めての場所というのはワクワクするものですよね!

無事に島へ上陸し、まずは情報収集の為に久米島博物館へ。

どうやら昔はさまざまな動物が生息していたようです。

現在は絶滅しているリュウキュウジカの骨。ロマンを感じます。

写真の骨は、約2〜3万年前に絶滅したとされているリュウキュウジカ。当時は広く琉球列島に生息していたようです。

なぜ絶滅してしまったのでしょうか? 亀崎先生は旧石器時代の人が食べてしまったから、と考えました。

今生きている動物がどうして生き残っているのか?絶滅してしまった動物はなぜいなくなってしまったのか?

こんなことに考えを馳せるのも、立派な「科学」です!

おしゃべりZoologyは、そんな「考える力」を養う事をお手伝いしますよ〜!!

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宣伝はほどほどに、本題のアオウミガメ殺害事件について。

久米島町役場で、関係者の方々と会議をした後、漁協の皆さまに事件現場を見学させていただきました。

30分ほどの観察でしたが、アオウミガメは15頭以上確認できました。

アオウミガメは絶滅危惧種に指定され、保護されていますが、

実は現在、沖縄でアオウミガメはどんどん増えていて、海藻や海草を食べ尽くしています。

保護され始めてから、沖縄に古くから根付いていたウミガメを食べる文化を持った人々がいなくなり、敵がいなくなった結果、逆に増え過ぎてしまっているのです。

その影響で、海藻や海草を住処としていた魚がいなくなってしまい、漁師さん達は困ってしまっているわけです。

さらに、定置網にかかったアオウミガメは暴れるため、網が破れてしまうのです。

今回の事件は、そんなウミガメの被害を受けた漁師さんが、勝手にウミガメを駆除した結果起きてしまった事件なのです。

久米島で観察できたアオウミガメ。可愛いけれど、沖縄では厄介者になってしまっています…。

そもそもなぜアオウミガメは絶滅危惧種になってしまったのか?

ウミガメを食べる文化自体は、はるか昔から存在していました。

ウミガメのお肉は、地元の方々の祭事に振る舞われるご馳走だったのです。

地元の方々がウミガメを食べて、程よく数を減らすことで、海の生態系バランス保たれていたのです。

しかし、味の良さから全国へ出荷するために県外の人々が密漁したり、

船や漁網が時代と共に強くなって、網に引っかかったウミガメが逃げられなくなったり、

海の環境自体が変わってしまったりと、さまざまな要因が重なった結果、アオウミガメは急激に数を減らしていきました。

そして現在、数が減ってしまったウミガメを、地元の文化を無視して保護した結果増えすぎてしまい、別の問題が起きてしまっている…。

非常に難しい問題ですが、昔のようにヒトとウミガメとの良好な関係を築いていきたいものですね。

重たい話になってしまいましたが、亀崎先生の出張についてのお話でした!

次回の更新をお楽しみに!!

おしゃべりZoologyスタッフ